とにかくすべてが凍っていた 昨日病院に向かうときはとてもそんなことを考えるゆとりが無かったのだが、水周りのことはそのままで出かけてしまっていたので、ほとんどの水栓が凍りついていた 例によってヤカンにお湯を沸かし凍りついた水栓をひとつひとつ”解除”していった 驚いたことにトイレの便器の中の水にまでうっすらと氷が張っていた
丸一日人が居なかった我が家は、それこそ言葉に尽くせないほど冷え切っていた
一週間ほどでかみさんと赤ん坊（娘）が家に戻って来た それに合わせてかみさんの母親が産後の手伝いにやってきてくれた 彼女は1週間ほど我が家に居て家事とか色々身の回りの世話をやいてそして帰って行った 帰る前ぽつりとこんなことを口にした
「ここは・・・なんて寂しい・・・とこなんだろう」
彼女が我が家に居た1週間のあいだほとんど人の姿を見ることは無かったそうだ 義母は東北の田舎町に住んでるが、そこに住む人の目にも荒涼としてただ寒いだけの冬の清里は「とんでもない田舎」に見えたのだろう
かみさんは産後の肥立ちも良く、娘も順調に育っていた
しかし、僕にはある不安があった それは・・・
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