坂田くんによるとたとえばトップ材のスプルースにしてもその原材料によって性質が違うので当然ギターにしたときの音の出来上がりが違ってくるそうだ たとえば今彼が製作中のこのギターのトップ 一枚の板なのだけどその真ん中と端のほうでは木の柔らかさがまるで違う そして板の厚みも均等ではなく縁のほうにいくに従って薄く加工してゆくんだそうだ
それにブレーシングの位置や削り方、サイドバック材との組み合わせによって音色はまるで変わってくる
そこらへんの調節については「僕はカンでやってるよ」・・・と坂田君は笑いながら話した
これはやっぱりそうなんだと思う たとえばPAもそうだ その日の気候や温度、機械の調子さらにはプレイヤーの(とくにボーカル)のその日のコンディションなどを見ながら僕はイコライジングを調整してる 「これにはこういう・・・」という「レシピ」は実はあまり役には立たないことは以前蕎麦屋をやっていて蕎麦を打つときにいやというほど味わってる
恐らく技術を必要とするあらゆるジャンルの業種で同じようなことがあるのでは・・・と思ってる
今回僕は弾かせてもらったのは以前彼がはじめて制作したナイロン弦のギター o-18c だ
このボディーシェイプはほぼMartin 0-18 と同じようだ もちろんスチールではなくナイロン弦で弾くわけだからボディーの構造もかなり違うんだと思う
このギターに関して彼は「いやあ、クラシックギター弾く人たちには評判悪いんだけどねえ」と苦笑していたが弾いてみるとまずその弾き易さがいい ネックは太めだがクラシックギターに比べると全然ほっそりしている サイズもコンパクトで弾き易い これはやはりスチール弦のギターを弾いてて「たまにナイロン弦の音が欲しい」というようなギタリスト、女性の弾き語りシンガー、あとはジャズギタリストなんかにいいんじゃないかな
僕が試奏した動画をアップします 最初はちょっと力が入りすぎてちゃんと弾けてないけど(笑)
力を抜いて優しく弾くと実にいい音で扱い易いギターでしたよ