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Channel: ジミー矢島の日記 | 高円寺ライブハウス ペンギンハウス
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仲田修子話 66

修子をその店に連れていったスズキくんは当時「フォークゲリラ」みたいなグループで活動していたようなので、もしかすると修子にもそういう仲間に加わってほしいと思ってたのかも知れないが結果はまったく違う方向に進んでいった 修子は毎週土曜日にその店に通い歌いはじめた オープンマイクで歌う人たちに混ざってときどき気が向いたときに歌うという形だった...

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仲田修子話 67

もちろん彼女の目的はバニーガールになることではない そこで外国のお客はほとんど相手にせずひたすら日本人のお客が来ると「どこかで弾き語りを募集しているお店知りませんか?」と声をかけ続けた そんなことを続けて2~3ヶ月経ったころ、あるお客が 「俺が行きつけの店で今弾き語りを替えたがってるんだよね」と教えてくれた それを聞いて修子は思わず心の中で「やったー!」と叫んだ...

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仲田修子話 68

こんな高待遇に修子は大喜びした・・・かと思うとそうではなかった 彼女の心の中は喜びとは正反対で「こんなことをやっててこんなに高額のお金を貰うのは詐欺なんじゃないか」そういう罪悪感で一杯だった 最初歌い始めた頃は歌えるレパートリーはわずか30曲ほどしか無かった これではとてもそれだけの高待遇に応えるだけの仕事は出来ない そこから修子の死ぬほど苦しい努力の日々が始まった...

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仲田修子話 69

ある晩「アーサーベル」で事件がおきた 修子はその日も店で歌っていて対バンが演奏している間の休憩時間にカウンターに座ってコーラを飲んでいた すると有名な某出版社の雑誌の編集長が何人かの部下を連れて店にやってきていたのだが・・・この男性はけっこうよく来てくれていた常連で、普段は何も問題を起こすような客ではなくむしろ店に来るたびに修子には5千円のチップをくれるような・・・まあ上客だった...

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仲田修子話 70

「アーサーベル」での修子の人気はもう不動のものになっていた たとえば・・・某大手電機メーカーの重役をやってる人がお客で来ていて修子の歌う「ろくでなし」を聴いて泣いたというエピソードがあり・・・この人は修子が後に他の店に移ったあともその店に聴きに来てくれていたという またある日アメリカ人の夫婦がお客で来ていて「ぜひこの曲を歌って欲しい」と「Green Grass of...

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仲田修子話 71

修子が店でパチンコを打っているとふとある男子に目がとまった そこの従業員の中にすごく女の子ぽくて可愛い男の子が居たのだ 修子は「これはいい!」と思いすぐその子に「仕事終わったら一緒に喫茶店に行きませんか」と声をかけると彼はすごく喜んだ そして彼の仕事が終わり一緒に出て喫茶店に着き、さて話をしようと思ったら彼はいきなりメソメソ泣き始めた ただ泣くばかりでほとんど会話も出来ないのだ...

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仲田修子話 72

ある日・・・その頃修子はバニーガールをやっていたのだが・・・店が終わってそこの衣装として被っていた金髪のカツラを被ったままで仕事場から家に戻ると部屋にはイマイくんと彼の友人の男性が来ていた その男性は彼の日大の同じ科の同級生だった イマイくんはその友人に「僕の彼女を見てよ」と自慢するために彼を連れて来たのだが、それが後に裏目に出ることになることには気が付いていなかった...

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仲田修子話 73

ところで修子とススム二人の新婚生活は普通とはかなり違っていた 家にテレビは置かず、寝るのは2段ベッドの上と下 そして二人で「子供を作るのはやめよう」と誓い合った ススムはイマイくんへの気兼ねがあってその後通っていた大学を中退してしまっていた その頃修子は弾き語りの仕事に就いていたのだが・・・一緒に住み始めた彼は修子が外で働いてる間は家に居てぼうっとしていたりジャズ喫茶に通っていたりした...

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仲田修子話 74

修子がお客からしょっちゅう言われたのが「羨ましい」という言葉・・・それも明らかにエリートサラリーマン風のお客などからだ ある日やはり「あなたが羨ましい 僕なんか毎日つまらない仕事ばかりしている」と愚痴をこぼしたサラリーマンに対して修子は「甘えるな!」と一喝した 「あなたが今居るポジションに就けたのは学歴とか運とか色々なものがあってのことのはずだ...

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仲田修子話 75

ある日、お客で学生時代に「軽音楽部」に入っていた男が修子が歌ってる最中に「あ、食ってる」「今吐いた」とか一々声を上げて指摘して嫌がらせをしてきた 修子はそう言われて怒りがこみ上げてきた 「こいつを殺して刑務所に入るか・・・」と思ったほどだった *解説:ここでの「食う」とはたとえば4/4拍子で出来てる小節を3/4または2/4などで演奏してしまい次の小節に行ってしまうこと 「吐く」はその逆...

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仲田修子話 76

今ではその店の名前も覚えていないがなぜかその店は「ホストクラブ」と言われていた それが「業種」だったのか「店名」だったのかも修子は覚えていない それはいいのだがいざ店内に入るとその時代でも修子が知っていたいわゆる「ホストクラブ」とは全く違うものだった まず「ホスト」なんて居ないのだ ベストを着たウエイターの男子が何人も居ただけなのだ...

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仲田修子話 77

さて、修子が通っていた埼玉のかなり遠くにあった「ホストクラブ」は一体どこにあったのだろう・・・ 筆者はその手がかりを見つけたくて色々と調べてみた まず「大宮駅」から修子が乗り換えたその路線がどれだったのか・・・現在の大宮駅はこのような路線図になっている                     「東北本線」「川越線」「高崎線」「埼京線」それに私鉄の「東武野田線」「埼玉新都市交通」・・・あとは新幹線だ...

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仲田修子話  78

仲田修子著;ダウンタウンブルース「13」より 修子がやってきたその店は錦糸町の、クラブとか何とかサロンとか飲み屋とかが何軒もかたまってある一画の中にあった。地下一階で、二十坪程の広さだっただろうか?内装は古ぼけて、ソファはところどころ擦り切れ、何だか店全体が疲れ果てている…そんな感じがした。...

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仲田修子話 79

仲田修子著;ダウンタウンブルース「14」より 「あなた、ピアノか何か習っているの?」修子は訊ねた。絶対何か習っているに違いなかった。 「いいえ、ピアノじゃなくて歌を習ってるんです」 「どの位習っているの?」...

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仲田修子話 80

仲田修子著;ダウンタウンブルース「15」より ミツコは一応雪乃派に所属しているらしかった。けれど彼女一人は他のホステスとは違って、絵理菜派に対して別に何の悪意も持ってはいないようだった。 そんなある日、お客がけっこう入っている時だった、絵理菜さんがふと思いついたようにマイクを握った。 「先生、一曲歌わしてよ…」...

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仲田修子話 81

仲田修子著;ダウンタウンブルース「16」より 翌日店へ行くと、彼女達は相変らず熱心に対立していた、修子はカウンターでマネージャーにそっと訊ねた。 「あの人たち、一体何で、何が原因であんなに仲が悪いんですか?」 「それが、僕にもさっぱり解らないんだよ。ただ、ずい分前からずっとああだけどね、まあ、お客が入ってくればふつうにしててくれるから」 修子は絵理菜さんに声をかけた。...

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仲田修子話 82

仲田修子著;ダウンタウンブルース「17」より 「絵理菜さん…ギターとか弾く気ありませんか?私で良かったら毎日早い時間に教えますけど…むろんタダでいいですけど」 「別にいいよ、そんな、あたし面倒なことキライなんだよ」...

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仲田修子話 83

仲田修子著;ダウンタウンブルース「18」より 「あの……先生……ちょっと、」 ミツコが近寄ってきた。 「なあに?」 「お金、少し貸して頂けないでしょうか?」 「お金?いくらぐらい?」 「本当は五万円ぐらいなんですけど、二万でも三万でもいいんですけど…」 「何に使うの?そのお金」 「あの…私の先生が今度○○レコードのディレクターに会わせて下さるっておっしゃるんです」...

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仲田修子話 84

仲田修子著;ダウンタウンブルース「19」より 二日後、絵理菜さんが修子に小さな紙切れを渡した。それには、「ピアノ、ベース、ドラム、ギター、トランペット×2、トロンボーン、テナーサックス、アルトサックス」、とだけ書いてあった。 「これ、そのバンドの全員なの?」 修子は聞いた。 「うん、それでそのトランペットの一人がバンマスなんだって」...

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仲田修子話 85

仲田修子著;ダウンタウンブルース「20」より 数日して彼女はすぐにメロディを覚えた…修子のわたした紙を持って、今度は彼女が歌った。最初「 ここは下町……」という所で間違えた。ここだけは仕方無く小節の頭からでなく、一拍休んで「ここは……」と出るように作ってあった。修子はできるかぎりわかりやすく説明をくり返し、彼女は歌った…お客がくるまでの間中…。...

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