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Channel: ジミー矢島の日記 | 高円寺ライブハウス ペンギンハウス
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僕の八ヶ岳話 29

「須玉インター」で中央道を降りそこから国道141号を清里に向かう ここからもずうっと昇り・・・何しろ標高差が500mはあるのだ ここからはさすがに僕らの車が先導することに 友人はきっとイライラしたことだろう 結局普通なら2時間半くらいで着くところを僕らは4時間かかってやっと到着したのだ!   家に着くとまずやることがある 締め切ってた窓をすべて開ける 篭っていた空気を追い出し新しい外気を入れる...

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僕の八ヶ岳話 30

翌日、遅い昼食を摂ると友人夫婦は帰っていった あらためて2人きりになって、はじめて新天地での僕らの生活がスタートしたことを感じた ベランダに面した窓を開けると爽やかなからっとした空気が入ってくる 鳥の鳴き声が周りの森から聞こえてくる あらためて「来たんだ」・・・と実感する瞬間だった 窓の外には緑が一杯・・・ではなかった   時は3月の末...

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僕の八ヶ岳話 31

引越して1週間が過ぎた 荷物の片付けも大体済み、そして4月に入ると僕は仕事を始めた そこは家から車で10分くらいのところにある工場だった 事前に韮崎というところにある「職業安定所」(現在は「ハローワーク」というが)に行き「なんでもいいから仕事を紹介してくれ」と頼んだら、紹介されたのがその工場だった...

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僕の八ヶ岳話 32

その工場で僕がどうしても我慢できなかったこと・・・それは「人間関係」だ 人間関係が悪くて・・・という悩みはよくあるけど・・・悪いのではない・・・無いのだ 僕が都会からやってきたよそ者・・・というので疎外される・・・そういうのはその後も何度か経験してきたが、そこではそういうものじゃないのだ そこに勤める従業員同士に僕が普通にあるはずだと思っていた交流がほとんど無いのだ...

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僕の八ヶ岳話 33

職場の環境はそれはヒドいものだったが、それさえ我慢できればまあなんとかやっていけそうだった それより毎日仕事が終り家に戻る時の爽快さに僕は酔いしれていた 4月の末頃になると山の木々が一斉に芽を出し始めた それはなんか「メリメリ」「モリモリ」と音がするんじゃないかというくらいの勢いで、山全体がエネルギーに満ちて膨らんでゆくのを感じた...

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僕の八ヶ岳話 34

僕らの家があるところは国道からはすぐのところだったが、一番近い駅である「清里」まで直線で約3キロ、それも行きはずうっと標高差約200mの登り道だ 当時、かみさんは免許も何も持っていなかった 一番近いスーパー(コンビニより小さな)に行くのに往復2時間も歩かなければならない...

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僕の八ヶ岳話 35

それは春が終りそろそろ初夏になろうという頃だった 「体調がおかしい」 そういうかみさんは電車で大きな町の病院へと出かけてきた 帰ってきて結果を聞いたらやっぱりそうだった。新婚の夫婦だったら、まあよくある話だ ただ、僕はちょっと戸惑った まあそうなったら仕方が無いのだが、あと1年くらいはかみさんと2人でこの土地での生活をゆったりと楽しもうと思ってたので・・・...

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僕の八ヶ岳話 36

  そのキーワードは・・・ 「モモエちゃんのペンション」・・・だ たとえば清里の駅前に居るとする こちらが地元民(正確には移住者だが)とわかると、こう訊ねてくる観光者がよく居たのだ  *写真は当時の貴重な記録(笑)   「すみませんが・・・モモエちゃんのペンション・・・どこですか?」...

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僕の八ヶ岳話 37

8月もお盆を過ぎると八ヶ岳は急に涼しくなった 家の周りの原っぱにはいつの間にかススキの穂が出始めた そして8月が終わると途端にあれほどの賑わいがまるで夢だったのではないかと思うくらい清里の街も急に静かになった もう馬鹿馬鹿しいほどの車の大渋滞も、ハイヒールにボディコンスーツでソフトクリームを舐めながら歩いていたギャルたちも姿を消した それでも週末にはそこそこの人がやってくる...

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僕の八ヶ岳話 38

9月に入ると八ヶ岳の秋は一気に加速していった 標高の高いところではすでに紅葉が始まり、朝晩はちょっと寒さを感じるくらいだった かみさんのお腹は順調に膨らんできていてもうすっかりそういう姿になっていた 予定日は来年の1月末・・・そういう話も耳に入ってきた 秋の紅葉シーズンや連休があると清里も少しは賑わいを見せる しかし、次第に訪れる人の数も減って来ていた 秋には八ヶ岳山麓のあちこちでお祭りがあった...

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僕の八ヶ岳話 39

清泉寮の「カウンティフェア」が終わると清里高原は一気に秋の終わりにスピードを加速する 標高2000m以上の方から山の色彩が変わってくる 赤や黄色・・・そのパッチワークのような模様はどんどん下の方へと降りてくる 我が家の周りもすっかり色合いを変えた木々に囲まれた そして、それらの広葉樹達の紅葉が終わり褐色になり散り始める頃、八ヶ岳高原の秋の主役が登場する...

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僕の八ヶ岳話 40

カラマツは地方によっては「ラクヨウ」とも呼ばれる ラクヨウとは「落葉」のことだ ほかのマツ類は大概は一年を通して少しずつ旧い葉を落とし新しい葉と入れ替わる だから年間を通して緑色の松葉が無くなるときは無い ところが、カラマツはこの晩秋の黄葉が終わると一斉にその葉を落とす まるで広葉樹のように丸裸になって冬を過ごすのだ この落ちた葉はあちこちに溜まる...

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僕の八ヶ岳話 41

色々な森の中を歩いているとそれぞれの違いに気付く まず広葉樹の森・・・色々な木々が重なり合い、そしてその下にもさまざまな植物が息づいている まったく違うのがスギ林だ とくにまったく手入れされてなく、枝も伸び放題になったスギは一年中日光を遮り続ける スギ林の中はだから暗くじめっとして植物もほとんど生えない・・・まるで「死の森」のようだ カラマツ林はどちらかというと広葉樹の森に近い...

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僕の八ヶ岳話 42

カラマツの森が葉っぱを落とすと八ヶ岳から色彩が消える ほとんどが褐色と灰色の世界だ そこにもうひとつ加わるのが「白」だ 日ごとに気温がどんどん下がってゆく すでに10月の中旬を過ぎたらもう夜はストーブをつけないと居られなくなっていた そして朝・・・ いつもよりさらに”寒いなあ~”と思い窓の外を見る・・・昨日までの灰褐色の世界の色彩が一変していた...

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僕の八ヶ岳話 43

やがてもうひとつの白が加わる やけに空の色がくっきりと深い青になったある日 八ヶ岳の山頂付近だけが雲に覆われていた あまり見たことのない形の雲だ なんだかその雲の下のほうにミルクのように白いぼんやりとした霧のようなものが見える そして強い冷たい西風・・・いわゆる「八ヶ岳おろし」が吹く そのミルク色が風に吹かれてこちらのほうへ近付いてくる・・・「雨か?」 雨じゃ無かった...

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僕の八ヶ岳話 44

僕ら夫婦が八ヶ岳で暮らし初めて最初の冬・・・気温は毎日刻むようにどんどん下がってきた 朝、目を覚まし空気を吸い込む・・・肺の中にとてつもない冷気が入ってくる 仕事に行かなければならない 朝食を済ませ車のエンジンをかけに外に出る 足元には高さ10センチくらいの霜柱が出来ていて、一歩歩くごとに「バリッ・バリッ」と音がする...

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僕の八ヶ岳話 45

八ヶ岳高原の寒い家で僕らは初めての正月を迎えた 年が変わると清里高原の寒さはいよいよ本格的になってきた ある朝目を覚まし洗面所に行き顔を洗おうとすると洗面台の水が出ない・・・断水ではない 水道の管にはすべて凍結防止のヒーターが巻かれていて、そこが凍ることは無い ところが、そこから先の蛇口のところは直接剥き出しになっていて夜の間の冷えでそこが凍ってしまうのだ これを防ぐためには方法がある...

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僕の八ヶ岳話 46

そこで、僕も冬を迎える前に冬用のタイヤに履き変えなければならなかった 今は「スタッドレスタイヤ」というのが冬の定番で、最近のスタッドレスは「氷上性能」がかなりよくなっていて、かなり過酷な雪道やアイスバーンでも無理さえしなければ(ここが大事なのだけど)かなり安心して走ることができる...

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僕の八ヶ岳話 47

さて、正月も過ぎて1月の下旬・・・かみさんのお腹は順調にどんどん前にせり出してきていた 病院での診察では「もう今月中にも」という話だった ところが”予定日”を過ぎてもその兆候がない 病院は甲府市内にある大型総合病院だった ある日、もう一度検診をしてもらいにかみさんは独り甲府へと出かけていった 医師の診断では「あともう数日」ということだった...

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僕の八ヶ岳話 48

陣痛は定期的にやってきたが、なかなかその先へ進まなかった 医師が時おり診察に来て様子を見て首をかしげ「ウーン、あと少しなんだけどねえ・・」と言って立ち去ってゆく いつしか時間が過ぎて3時間、5時間、8時間・・・と経ってもなかなかその先に進まない その間にも何組もの妊婦さんたちがやってきて先に済ませてしまう中・・・僕ら夫婦だけが時間に取り残されていた ついに夜になり深夜になった...

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